印刷

印刷技法の一つで、木の板に文章や絵を彫って版を作る凸版印刷である

 

木版印刷

木版印刷の起源ははっきりしていない。印章や印仏などとの関連が指摘されているが、刊行されたもので印刷は9世紀の書籍が確認されているのみである。東アジアの書物史において、木版印刷による書籍は扱いはたかくなかったが唐以来、大量生産の術としてひろくながく受けいれられてきた。著名な書家に書かせた序を原稿通りに刻ませる一方で、出版点数を増やすために書体の様式化を招いた。しかし、ヨーロッパで発明された印刷術が普及しだすと、新規刊行物の印刷術として木版印刷が選ばれることはほとんどなくなっていった。

在確認されている最古の木版印刷による印刷書『金剛経』は868年のものである。

木活字が開発されるなどしたが、印刷の主流は木版印刷であった。その地位は17世紀からの西欧諸国の東アジア進出から、グーテンベルクに淵源する鋳造活字が市場を覇すまで続いた。

日本では、百万塔陀羅尼以降印行の記録がないが、平安時代の春日版や鎌倉時代・室町時代の五山版などの寺院版が印刷、ひいては木版印刷の主流であった[2]。桃山末期から江戸時代初期にかけて、一時古活字版やキリシタン版などの活版印刷が盛んになるが、寛永期を境に、再び木版印刷(整版)が主流となってくる。書店が発達し、浮世草子や黄表紙などのベストセラーが生まれ、一般に広く書物が普及するようになった。

活字を用いる活版印刷が普及しなかった理由としては、文字数が多いため多くの活字を揃えておくことが困難だったこと、それよりも職人が作る木版の方が自由度も高く効率的であること、漢字とかなを複雑に交え崩し文字で書いた文章が好まれたことにあると思われる。また、当時は熟練した植字工の育成が困難であったため、活字版には誤植が多く発生し、誤りの少ない整版の方が尊ばれたという事情もある。

明治初期が木版印刷から活版印刷への移行期である。『学問のすゝめ』や『西国立志篇』など当時のベストセラーも木版印刷・和装の本であった。[3]1877年(明治10年)、秀英舎(のちの大日本印刷)が刊行した『改正西国立志篇』が活版印刷・洋装本を広めるきっかけになったようである。

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